条件に合致する物件がある地域にたくさんあって余裕がある場合、その土地がどういうところかを調べておくのも一興です。
古い土地と新しい土地
GoogleMapでその地域の地図を開いてみてください。どうなっているでしょうか?
まっすぐの道路で区画が整頓されているか、あるいは曲がりくねった道になっているか、だと思います。全てがそうだというわけではありませんが、大方、前者は1954年から開始された土地区画整理法によって整頓された地域で、後者は昔ながらの道と古い区画が残る歴史ある地域です。
かなり大雑把に言うと、区画整理された土地は新しい住人が多く、都会的で、皆あまり隣人に関心がありません。歴史ある土地は排他的で、馴染むのに非常に苦労しますが、溶けこんでしまえば住みやすい土地です。これから将来その土地でどう暮らしていくのかを考えた上で、住む土地柄を選ぶのもよいでしょう。
例外として、京都のような古都や土地整備に熱心だった大名のお膝元などは、戦国時代から区画整理が行き渡っていることがあります。
沼や川の近く
その地域が川に近い場合、地盤が緩い可能性があります。また一見川がなくても、暗渠が近くにある場合、そもそもそこは一昔前まで河川敷だったかもしれません。
地名に「沼」や水に関わる漢字が使われている場合(例:見沼区)、そこはかつて広大な沼地であった可能性があります。
そういった土地に住む場合は、地盤が緩いことを考慮し、地震保険に入ったほうが良いかもしれません。
郷土資料館で調べる
裏手に山があったり、近くに谷があったり、複雑な地形の場合は、地元の資料館などでその土地の古い地名を調べてみてください。
龍とか蛇のような不吉な地名の場合、過去に大規模な鉄砲水や土砂崩れがあった地域であり、そういった住んではいけない地域の地名を改定して、しれっと住宅造成地にしているかもしれません。
郷土資料館で入手できる情報は想像以上に有益です。例えば西東京の一部では、戦後かなりの期間、水害に悩まされ続けていた地域があります。ダムが出来てそれらの水害がひとまず落ち着いているだけであったり、あるいは今でも大雨が降ると危険にさらされる可能性を示唆することがあります。特にダムなどは、やがて堆積土によってスペックが落ちますから、何十年にもわたって信頼し続けるのは無理があります。
対象ダムは、完成して30年が経過し、その間の累積土砂堆積量は約400万m³である。すなわちこの1回の集中豪雨によって約10年分に近い土砂が一度に堆積した事になる。
まちBBS
あまりに新しい土地、ニュータウンがあるような地域には、そもそも地元の郷土資料館自体が存在していないことがあります。
所沢なんかがそうですが、一昔前までは狸が住んでいる林と藪だらけの荒れ地にすぎなかった場所です。そういった地域は歴史が一切ありませんから、地元のお祭なども垢抜けない感じで、どこに誰が住んでいてどんな事件が起きたか誰も知らず、風通しは悪くありません。資料館の代わりに、まちBBSなどで情報を入手する必要がありそうです。